グッピーが追いかけ回すのはなぜ?理由と今すぐできる対処法

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水槽の中でグッピーが追いかけ回す光景を見て、少し心配になっていませんか。 特にしつこいオスの行動や、グッピーのオス同士で見られる求愛のような動きは、見ていて気になるかもしれません。

仲間をグッピーがつつく様子は、病気やいじめではないかと不安にさせるものです。 また、グッピーは繁殖しすぎると、増えた稚魚の引き取り先を探すのが大変になることもあります。

このため、グッピーをオスだけで飼育する方法を考えたり、正しいグッピーの交尾の仕方に興味を持ったりする方もいるでしょう。 中には、グッピーの性別が変わるという噂の真偽について知りたい方もいるかもしれません。

この記事では、グッピーが追いかけ回す行動の背景にある様々な理由と、飼い主としてできる具体的な対処法を、分かりやすく解説していきます。


この記事を読むと分かること

  • グッピーが追いかけ回す行動の主な理由
  • 繁殖やオス同士のトラブルに関する具体的な対処法
  • 増えすぎた場合の適切な引き取り先と注意点
  • グッピーの性別や病気のサインに関する正しい知識

グッピーが追いかけ回す行動の理由とは?

  • しつこいグッピーのオスが見せる交尾の仕方
  • グッピーのオス同士でも求愛行動をする?
  • 仲間をグッピーがつつくのは病気のサインか
  • メスに見られるグッピーの妊娠の兆候
  • グッピーの性別が変わるという噂は本当か

しつこいグッピーのオスが見せる交尾の仕方

グッピーのオスがメスをしつこく追いかける行動は、そのほとんどが交尾を目的とした求愛行動です。 これはグッピーの繁殖本能に基づく自然な振る舞いであり、飼育下では日常的に見られます。

オスは常に繁殖の機会をうかがっており、美しいヒレを大きく広げてメスの気を引こうとします。 そして、メスの後を熱心に追いかけ、一瞬の隙を突いて交尾を試みるのです。 このとき、オスは「ゴノポディウム」と呼ばれる交接器(尻ビレが変化したもの)を使って、メスの体内へ精子を送ります。 グッピーの交尾は一瞬で終わることが多く、飼い主がその瞬間を目撃することは稀かもしれません。

ただ、この求愛行動があまりにも激しい場合、メスが大きなストレスを感じてしまうことがあります。 追いかけ回されたメスが体力を消耗し、病気になってしまうケースも少なくありません。 水草などの隠れ家を十分に用意して、メスが逃げ込める場所を確保してあげることが大切です。

グッピーのオス同士でも求愛行動をする?

はい、グッピーはオス同士でも追いかけ回したり、求愛行動に似た振る舞いをしたりすることがあります。 これにはいくつかの理由が考えられます。

一つは、繁殖本能が非常に強いために、相手がオスであるにもかかわらずメスと誤認してアプローチしてしまうケースです。 特に若いオスや、水槽内にメスがいない、あるいは少ない環境では、このような行動が見られやすくなります。

もう一つの理由は、オス同士の優位性を示すための力比べや縄張り争いです。 グッピーの社会では、より強く、より美しいオスがメスに選ばれる傾向があります。 このため、他のオスに対して自分の力を誇示するために、ヒレを広げて威嚇したり、追いかけ回したりするのです。

多くの場合、これらの行動は小競り合い程度で収まり、深刻なダメージにつながることは少ないです。 しかし、特定の個体だけが集中的にいじめられるようなら、水槽のレイアウト変更や隔離を検討する必要があります。

仲間をグッピーがつつくのは病気のサインか

仲間をグッピーがつつく行動は、単なる小競り合いだけでなく、病気やストレスのサインである可能性も考えられます。 健康なグッピーは、病気などで弱っている個体を本能的に察知し、群れから排除しようと攻撃することがあります。

もし、特定のグッピーが他の個体から頻繁につつかれている場合、まずはその個体の様子をよく観察してください。 体に白い点が付着する「白点病」や、ヒレが溶けるようにボロボロになる「尾ぐされ病」などの初期症状が見られないか確認が必要です。 これらの病気は伝染性が高いため、早期発見と隔離、薬浴などの適切な治療が求められます。

また、水質の悪化や過密飼育、隠れ家の不足などもグッピーにとって大きなストレス要因です。 ストレスが溜まると攻撃的になり、仲間をつつく行動に繋がることがあります。 定期的な水換えやフィルターの掃除を徹底し、グッピーが落ち着いて暮らせる環境を維持することが、問題行動の予防になります。

メスに見られるグッピーの妊娠の兆候

グッピーは卵ではなく稚魚を産む「卵胎生」の魚であり、比較的簡単に繁殖します。 メスの妊娠は、いくつかの身体的な変化から見分けることが可能です。

最も分かりやすい兆候は、お腹の膨らみです。 妊娠が進むにつれてメスのお腹は大きく膨らみ、臨月が近づくと横から見て四角い形に見えるようになります。 単に太っているだけの場合は丸みを帯びた膨らみ方をしますが、妊娠の場合はお腹が角張ってくるのが特徴です。

妊娠マークの確認

もう一つの重要なサインが「妊娠マーク」です。 これは、尻ビレの付け根あたりのお腹の部分に現れる黒っぽい斑点のことを指します。 お腹の中で稚魚の目が透けて見えることで、このマークは濃く、ハッキリとしてきます。 妊娠マークが明確に確認できれば、出産が近い証拠と言えるでしょう。

他にも、出産間近になると、あまり活発に泳ぎ回らなくなり、水槽の隅でじっとしたり、上下運動を繰り返したりといった行動が見られることがあります。 これらの兆候に気づいたら、産卵箱を準備するなど、稚魚を迎える準備を始めると良いでしょう。

グッピーの性別が変わるという噂は本当か

「グッピーは成長の過程で性別が変わることがある」という噂を聞いたことがあるかもしれません。 しかし、結論から言うと、グッピーの性別が後天的に変わることは、基本的にはありません。

グッピーの性別は、他の多くの動物と同様に、生まれた時の遺伝子によって決定されています。 オスになるかメスになるかは、受精の段階で決まっており、その後の飼育環境によって変化するものではないのです。

では、なぜこのような噂が広まったのでしょうか。 主な理由として、幼魚期の性別の見誤りが考えられます。 グッピーのオスは成長が遅い個体もおり、幼魚期にはメスと見分けがつきにくいことがあります。 メスだと思っていた個体が成長するにつれて、オスの特徴である鮮やかな体色や大きな尾ビレが現れ、「性別が変わった」と誤解されてしまうのです。

ごく稀に、ホルモン異常や極端な環境ストレスによって性的な特徴が変化する例が報告されることもありますが、これは極めて例外的なケースです。 一般的な家庭での飼育において、グッピーの性別が変わることはないと考えて差し支えありません。

グッピーを追いかけ回す行動への対処法

  • グッピーをオスだけで飼育するメリット
  • グッピーが繁殖しすぎた時の対処法
  • 増えたグッピーの引き取り先と売値の相場
  • やってはいけないグッピーの捨て方とは
  • まとめ:グッピーが追いかけ回す時に確認すべきこと

グッピーをオスだけで飼育するメリット

グッピーをオスだけで飼育する方法は、いくつかの明確なメリットがあります。 最も大きな利点は、意図しない繁殖を完全に防げることです。

グッピーは非常に繁殖力が高く、オスとメスを一緒に飼っていると、あっという間に数が増えてしまいます。 オスだけの飼育であれば、繁殖の心配がなく、過密飼育になるリスクを抑えることが可能です。 これにより、水質管理の手間が軽減され、安定した飼育環境を維持しやすくなります。

また、観賞面でのメリットも大きいです。 一般的にグッピーのオスは、メスに比べて体色が鮮やかで、尾ビレや背ビレが大きく広がり、非常に美しい姿をしています。 オスだけの水槽は、色とりどりのヒレが舞う、とても華やかな景観を楽しむことができるでしょう。

一方で、注意点もあります。 前述の通り、オス同士では小競り合いや縄張り争いが起こりやすいです。 ケンカが激化しないよう、水槽のサイズに余裕を持たせ、水草や流木などで隠れ家を十分に用意してあげることが、平和な混泳の鍵となります。

グッピーが繁殖しすぎた時の対処法

グッピーの旺盛な繁殖力は、飼育の楽しみであると同時に、悩みの種にもなり得ます。 もし、水槽が過密状態になるほど繁殖しすぎたと感じたら、早急な対処が必要です。

まず考えるべきは、これ以上増えないようにすることです。 オスとメスを別の水槽に分けて飼育するのが最も確実な方法でしょう。 また、親魚が稚魚を食べてしまうことを利用し、あえて産卵箱を使わず、水草などの隠れ家を少なめにして自然淘汰に任せるという考え方もあります。 ただし、これは管理が難しく、意図的に命を減らす行為でもあるため、慎重な判断が求められます。

次に、増えてしまったグッピーの数を減らす方法を考えます。 飼育スペースを拡大できるのであれば、より大きな水槽を用意するのが理想的です。 それが難しい場合は、責任を持って引き取り先を探す必要があります。 友人や知人に譲る、あるいはペットショップや専門の業者に引き取ってもらうなどの選択肢が考えられます。

増えたグッピーの引き取り先と売値の相場

増えてしまったグッピーの引き取り先を探す際は、最後まで責任を持つことが大切です。 主な選択肢と、それぞれの特徴を理解しておきましょう。

引き取り先の選択肢メリットデメリット・注意点
知人・友人安心して任せられる、相手の飼育環境が分かりやすい飼育経験がある人が身近にいるとは限らない
ペットショップ専門知識があり、適切な環境で管理してもらえる可能性が高い店舗によっては引き取り不可、または条件がある
ネット掲示板・SNS多くの人に呼びかけられる、欲しい人が見つかりやすい個人間取引のためトラブルのリスク、相手の素性が不明瞭
専門の引取業者大量でも引き取ってもらえることが多い有料の場合が多い、業者選びを慎重に行う必要がある

ペットショップでの引き取りの場合、売値が付くことは稀で、基本的には無料での引き取りか、場合によっては少額の手数料がかかることもあります。 ただし、血統が良く、珍しい品種のグッピーであれば、数十円から数百円程度の値段で買い取ってもらえる可能性もゼロではありません。 いずれにしても、まずは近隣の店舗に直接問い合わせて、引き取りの条件を確認することが第一歩です。

やってはいけないグッピーの捨て方とは

どのような事情があっても、飼育しているグッピーを近所の川や池、用水路などに放流することは絶対にやってはいけません。 この行為は「不法投棄」にあたり、自然環境に深刻な悪影響を及ぼす許されない行為です。

日本に元々生息していない外来種であるグッピーが自然界に放たれると、生態系に様々な問題を引き起こします。 非常に丈夫で繁殖力が高いため、在来のメダカなどと餌や生息場所を巡って競合し、在来種を絶滅の危機に追いやってしまう可能性があります。 また、グッピーが持つ病原菌や寄生虫が、日本の生態系に拡散されてしまう危険性も否定できません。

このような理由から、許可なく生物を放流することは「鳥獣保護管理法」や自治体の条例によって厳しく禁止されています。 飼い始めた以上、その命に最後まで責任を持つのが飼い主の義務です。 もし飼い続けることが困難になった場合は、前述したような適切な方法で、必ず次の飼い主を見つけてあげてください。

まとめ:グッピーが追いかけ回す時に確認すべきこと

この記事では、グッピーが追いかける行動の理由から具体的な対処法までを解説してきました。 最後に、水槽で追いかける行動が見られた時に確認すべき重要なポイントをまとめます。

  • 追いかけているのはオスか、追いかけられているのはメスか
  • オスの求愛行動が激しすぎないか
  • メスが逃げ込める隠れ家は十分にあるか
  • オス同士で力比べや縄張り争いをしていないか
  • 特定の個体だけが集中的にいじめられていないか
  • つつかれている個体に病気の兆候(白い点、ヒレの傷みなど)はないか
  • 追いかけられているメスのお腹は膨らんでいるか
  • 尻びれ付近に黒い妊娠マークは現れているか
  • 水槽のサイズに対して魚の数が多すぎないか(過密飼育)
  • 水質は悪化していないか(定期的な水換えはできているか)
  • オスだけの飼育を検討する余地はあるか
  • これ以上繁殖させないための対策はできているか
  • 万が一増えすぎた場合、引き取り先の候補はあるか
  • 自然の河川への放流は絶対にしてはいけないことを理解しているか
  • 全ての行動はグッピーの習性や本能であることを理解し、冷静に観察する

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